NANTO Vegetable Seed Catalog 2018
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「農家の・農家による・農家のための生産者グループ」私は熊本市河内のみかん農家の息子です。若いころから旧態依然とした従来からの農業のあり方では、後継者が残せない、借金ばかり増える、産地が無くなってしまう、と言った危機意識を持っていました。しかし、周囲の農業関連の偉い方々と話をしても中々話が前に進まない。それなら、本当の農家のためのことを、自分たちでやろうと思い立ちました。「ちゃんと儲かる農業をやりたい」「お値段以上の良いものをお客様に届けたい」「若い後継者を増やしたい」「地元にブランド産地を残したい」という想いで20軒の柑橘農家とその息子たちが集まり、株主として出資し、7年前にできた会社が㈱味咲です。今ではその柑橘農家に加え、新たな主力商品として西瓜のブランド販売にも注力しており、西瓜農家12軒とその息子たちも構成メンバーに加わってともに夢のある農業を実践しています。「西瓜で差別化販売をするために選んだのがBJ」㈱味咲では「ブラックジャック」を4月末から6月前半に掛けての販売で、連棟ハウス・単棟ハウス・トンネル作にて合計2.2haほど生産しています。別途、レギュラーのタネあり西瓜も生産・販売しています。BJとの出会いは5年前になります。植木町では複数の西瓜生産販売組織がありますが、後発として新規参入する西瓜生産者組織としては、独自性や差別化が必要になります。そこで、真っ黒い外観で甘くてシードレスで食べやすいというBJの特徴に惹かれました。そして4年前より試験的な栽培と販売に取り掛かりました。東京の卸売市場さんを通じて最大手のデパートに納めるというものです。⦆「BJ販売初年度は赤字。実績を積むにつれ・・・」販売初年度は皆にBJを栽培して貰いましたが、品物が良くても契約数以上には思うように売れませんでした。柑橘販売での経験上、特殊な商品は名が売れるまでは市場流通性が乏しいのは当たり前で、知名度を上げるための宣伝期間だと割り切って残りは安値で売り捌き、2年目に繋げるために赤字分は自社で負担しました。しかし、2年目3年目と実績を積むにつれ、徐々に高級フルーツ店さんや東日本や西日本の大手スーパーさんでも取り扱いが増え、安値で捌く必要がなく「言い値販売」が出来るようになり、お客様も「欲しい分」をオーダーしてくれています。例年の平均的な2玉入りケース出荷単価は3Lで6000円、特クラスで6500円といった具合です。2017年春シーズンは1万3千玉を販売させて頂きましたが、お客様の要望の半分しか供給出来ていないのが現状です。「BJは4年前から販売して空洞果などのクレームがない」BJの生産・販売を続けてきて言えることは、まず何より4年前から販売してきて、変なクレームが一切無いことです。西瓜販売では特に空洞果に対するクレームが付きものですが、シードレス品種であるBJの秀品率は極めて高く、同時期に販売しているレギュラー西瓜(種あり)の秀品率を大きく上回っています。また、スーパーやコンビニでの青果販売の形態が変遷し、スーパーでは八つ切りカット、コンビニではブロックカットでの販売が主流となりましたが、階級サイズが大きく、秀品率高く、スキ(空洞果)が出にくく、カット後の果汁のドリップも少ないBJの特徴はこれにマッチしていると言えます。タネが少なくて食べやすいという「シードレスの付加価値」は徐々に消費者も認識していて、この付加価値に対して少しだけ高い価格を支払うという「需要と供給」が成立しています。私は、BJは西瓜の世界を変えられる品種であると考えています。「BJは西瓜の世界を変えられる・・・しかし課題も。」㈱味咲のBJは販売上のクレームリスクが低く、レギュラー西瓜よりも高い価格で販売できており、農家としても収益性は高い品目であると言えるのですが、現状の出荷量の2倍でも売れるにも関わらず、作付面積の拡大が需要の拡大スピードに追い付かず、思うように広がっていません。それには次のような、シードレス西瓜特有の栽培管理上の手間があるからです・・・。(※これらについては次頁にて詳しく紹介。)⦆「ブランド確立のために高い意識と考え方が必要」ただし、柑橘でもいえる事ですが「特殊なもの・差別化商品には手が掛かるのが当たり前」であるとも考えています。私たちは西瓜産地のひとりとして、将来の西瓜マーケットの需要を常に掘り起こしていかねばなりません。「熊本ブランド」「味咲ブランド」を確立させるために力を尽くさねばなりません。その手段がBJなのです。実際には味咲でも、まだまだ目先の高い単価に惹かれてBJを栽培している農家も多いのですが、我々グループ全体が高い意識と考え方を持って、これからもBJに取り組み、「熊本ブランド」「味咲ブランド」の確立と、新たな西瓜の需要を創っていきたいと思います。⦆㈱味咲 代表取締役 坂本清一若手農家が集まる植木町の柑橘&西瓜生産者組織「㈱味咲」でのブラックジャックの取り組み。㈱味咲 代表取締役 坂本清一氏若手農家が集まる植木町の柑橘&西瓜生産者組織「㈱味咲」でのブラックジャックの取り組み。㈱味咲 代表取締役 坂本清一氏㈱味咲は「本当に美味しいみかん作り」を目指し、熊本市河内町と植木町の農家が7年前に共同出資して設立された「農家の・農家による・農家のための」生産者組織です。主力商品は不知火・はるか・みかん。こだわり抜いた栽培法と選果基準でリピート客を掴む、差別化されたブランド商品として人気を誇っています。そして4年前より新たな基幹商品として西瓜に取り組み、新たな西瓜ブランドの確立のために選ばれた品種がブラックジャックでした。㈱味咲は「本当に美味しいみかん作り」を目指し、熊本市河内町と植木町の農家が7年前に共同出資して設立された「農家の・農家による・農家のための」生産者組織です。主力商品は不知火・はるか・みかん。こだわり抜いた栽培法と選果基準でリピート客を掴む、差別化されたブランド商品として人気を誇っています。そして4年前より新たな基幹商品として西瓜に取り組み、新たな西瓜ブランドの確立のために選ばれた品種がブラックジャックでした。熊本県植木町ブラックジャック熊本市産地レポート不知火は主力商品のひとつ。不知火は主力商品のひとつ。坂本清一社長加藤幸男すいか部長加藤幸男すいか部長14

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